2012年06月01日
「選択と集中」のウソ
最近の日経新聞に興味深い記事が二つ掲載されていました。
一つは編集委員大西康之氏の署名記事「経営の視点」(選択と集中のウソ)です。
米国の1950年代における代表的な家電メーカーでテレビの技術革新に貢献した「ゼニス社」と「RCA社」が1980年代には「選択と集中」の名のもとにリストラを続けた結果、エレクトロニクス産業の表舞台から姿を消し、現在はゼニスは韓国LG電子、RCAは仏トムソンの1ブランドになっている。氏は1980年代にゼニス社とRCA社が取った行動は、現在の日本の大手家電メーカーの取っている行動にそっくりだと言われる。
安く大量に作ることが得意だった当時の日本メーカーとの競合を避け、「次世代技術」に集中した。やがて両社からの生産委託で力をつけた日本メーカーに、世界市場を奪われ、体力を失ったため、虎の子の次世代技術を市場に広めることが出来なかった。米企業が道をつけた技術で稼いだのは日本企業だった。
あのころの日本メーカーを韓国、台湾メーカー、米メーカーを日本メーカーに置き換えればそのまま現代の構図になる。今の日本の電機大手は「選択と集中」の名の下に「撤退」を繰り返しているように見える。「新たな投資の決断」を伴わない撤退を、安易に「選択と集中」と呼ぶべきではない。
「撤退」は固定費の削減で一時的な増益につながるが、それだけでは事業規模が縮小し、成長が止まる。持続的に成長するために経営者は「投資の決断」を下さなくてはならない。 「選択と集中」を唱えたのは経営学者のピータードラッガーで、それを実践したのが「ゼネラルエレクトリック(GE)」のジャック・ウェルチ元会長とされる。ウェルチ氏が「選択と集中」で売却したのが、当時GE傘下のRCA社である。撤退を繰り返したRCAは、ウェルチ氏に捨てられた。その後、GEは撤退に見合う投資で復活した。・・以上耳の痛い話である。

(出所:ウィキペディア GE社の航空機エンジン) 続きを読む
一つは編集委員大西康之氏の署名記事「経営の視点」(選択と集中のウソ)です。
米国の1950年代における代表的な家電メーカーでテレビの技術革新に貢献した「ゼニス社」と「RCA社」が1980年代には「選択と集中」の名のもとにリストラを続けた結果、エレクトロニクス産業の表舞台から姿を消し、現在はゼニスは韓国LG電子、RCAは仏トムソンの1ブランドになっている。氏は1980年代にゼニス社とRCA社が取った行動は、現在の日本の大手家電メーカーの取っている行動にそっくりだと言われる。
安く大量に作ることが得意だった当時の日本メーカーとの競合を避け、「次世代技術」に集中した。やがて両社からの生産委託で力をつけた日本メーカーに、世界市場を奪われ、体力を失ったため、虎の子の次世代技術を市場に広めることが出来なかった。米企業が道をつけた技術で稼いだのは日本企業だった。
あのころの日本メーカーを韓国、台湾メーカー、米メーカーを日本メーカーに置き換えればそのまま現代の構図になる。今の日本の電機大手は「選択と集中」の名の下に「撤退」を繰り返しているように見える。「新たな投資の決断」を伴わない撤退を、安易に「選択と集中」と呼ぶべきではない。
「撤退」は固定費の削減で一時的な増益につながるが、それだけでは事業規模が縮小し、成長が止まる。持続的に成長するために経営者は「投資の決断」を下さなくてはならない。 「選択と集中」を唱えたのは経営学者のピータードラッガーで、それを実践したのが「ゼネラルエレクトリック(GE)」のジャック・ウェルチ元会長とされる。ウェルチ氏が「選択と集中」で売却したのが、当時GE傘下のRCA社である。撤退を繰り返したRCAは、ウェルチ氏に捨てられた。その後、GEは撤退に見合う投資で復活した。・・以上耳の痛い話である。

(出所:ウィキペディア GE社の航空機エンジン) 続きを読む