2012年05月15日
繰り返されるホテル火災の惨事
広島県福山市で起きたホテル火災では7人の方が亡くなる惨事となりました。この種の火災事故では、原因として法律が守られていなかったと言うことが度々言われています。何故このようなことが繰り返されるのでしょうか。それには多少訳があるのです。
防火設備に関して規定する法律は主として「建築基準法」と「消防法」とがありますが、問題になるのはどちらかと言うと、「建築基準法」ではないかと思います。
このホテルは1960年代に建てられ、今日まで一定規模以上の改築・改修や大規模な修理等が行われないまま、営業が行われて来たようです。それによって、1960年代のこの建築物が着工された当時の建築基準法が適用されていたわけです。何故それが可能であったかと言うと、「建築基準法」が改正されるたびに建築物が適法となる様に改築・改修を行わなければならないとすれば、建物の所有者や管理者にとって費用面の負担が大きすぎると言う配慮から、それらの改築・改修等が行われない限り、その建築物の着工時以前の「建築基準法」に適合していれば「現行法」に適合しない部分があったとしても、一応合法と言う扱いになるのです。それらの建築物は「既存不適格」と言う分類になっていて、現在でもかなりの数あるだろうと言われています。

(出所:NHKニュース 福山市ホテル火災現場検証)
古い建築物が全て問題と言うわけではありませんが、「建築基準法」も「消防法」も大きな火災事故等が起きるたびに法律が見直され改正されて来たのですが、それらの改正法が適用されずに済んでしまったという矛盾も生じているのは事実でしょう。
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防火設備に関して規定する法律は主として「建築基準法」と「消防法」とがありますが、問題になるのはどちらかと言うと、「建築基準法」ではないかと思います。
このホテルは1960年代に建てられ、今日まで一定規模以上の改築・改修や大規模な修理等が行われないまま、営業が行われて来たようです。それによって、1960年代のこの建築物が着工された当時の建築基準法が適用されていたわけです。何故それが可能であったかと言うと、「建築基準法」が改正されるたびに建築物が適法となる様に改築・改修を行わなければならないとすれば、建物の所有者や管理者にとって費用面の負担が大きすぎると言う配慮から、それらの改築・改修等が行われない限り、その建築物の着工時以前の「建築基準法」に適合していれば「現行法」に適合しない部分があったとしても、一応合法と言う扱いになるのです。それらの建築物は「既存不適格」と言う分類になっていて、現在でもかなりの数あるだろうと言われています。

(出所:NHKニュース 福山市ホテル火災現場検証)
古い建築物が全て問題と言うわけではありませんが、「建築基準法」も「消防法」も大きな火災事故等が起きるたびに法律が見直され改正されて来たのですが、それらの改正法が適用されずに済んでしまったという矛盾も生じているのは事実でしょう。
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