2011年11月26日
日経地球環境技術賞最優秀賞に神戸製鋼
日本経済新聞社は第21回「日経地球環境技術賞」の受賞者として、最優秀賞に安価な原料が使え、二酸化炭素(CO2)の排出も少ない製鉄法を開発した神戸製鋼所を選びました。その他優秀賞には①「燃費を30%改善した新型ガソリンエンジン車」を実現したマツダ、②「使用済みペットボトルを100%ペットボトルに再生する仕組み」を確立したサントリーホールディングス、③「希少な樹木の成分を使わずに香料を合成する新製法」を開発した宇部興産、④エネルギーの利用効率を高める大規模実験」に取り組むパナソニック、が選ばれました。
(最優秀賞の神戸製鋼所:新製鉄法ITmk3プロセスフロー)

(出所:神戸製鋼所HPより)
この新製鉄法は、二酸化炭素(CO2)の排出量が現在主流の高炉方式に比べて大幅に少なく、粉状の鉄鉱石や一般炭のような低品位の資源を活用できる。主要設備は上図の「回転炉床炉」で、内部をバーナーで1450℃にする。鉄鉱石と石炭を粒状に固めた原料を投入すると、「アイアンナゲット」と呼ぶ鉄の塊ができる。鉄分は96~97%で高炉で生産する銑鉄と品位は同じとのこと。
(「アイアンナゲット」の写真)

(出所:神戸製鋼所HPより) 続きを読む
(最優秀賞の神戸製鋼所:新製鉄法ITmk3プロセスフロー)

(出所:神戸製鋼所HPより)
この新製鉄法は、二酸化炭素(CO2)の排出量が現在主流の高炉方式に比べて大幅に少なく、粉状の鉄鉱石や一般炭のような低品位の資源を活用できる。主要設備は上図の「回転炉床炉」で、内部をバーナーで1450℃にする。鉄鉱石と石炭を粒状に固めた原料を投入すると、「アイアンナゲット」と呼ぶ鉄の塊ができる。鉄分は96~97%で高炉で生産する銑鉄と品位は同じとのこと。
(「アイアンナゲット」の写真)

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2011年11月24日
カーボンフットプリント(炭素の足跡)とは?
11月26日(土)は「ふじさんめっせ」で「第5回富士市・環境フェア」が開催されます。その前に環境用語で聞きなれないものをもう一つ追加で紹介します。「カーボンオフセット」、「カーボンクレジット」、「カーボンニュートラル」については11月11日の本ブログで紹介しましたが、もう一つ「カーボンフットプリント(炭素の足跡)」と言う用語があります。
「カーボンフットプリント」は英語の直訳通り、「炭素の足跡」と訳しますが、その意味は、私達が購入・消費している全ての商品・サービスが作られて捨てられるまでの過程(ライフサイクル)で排出された「温室効果ガスの量」を合算した結果得られた全体の量を、二酸化炭素(CO2)量に換算して表示することを言います。

(出所:(社)産業環境管理協会より委託「みずほ情報総研㈱」HPより) 続きを読む
「カーボンフットプリント」は英語の直訳通り、「炭素の足跡」と訳しますが、その意味は、私達が購入・消費している全ての商品・サービスが作られて捨てられるまでの過程(ライフサイクル)で排出された「温室効果ガスの量」を合算した結果得られた全体の量を、二酸化炭素(CO2)量に換算して表示することを言います。

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2011年11月18日
「京都議定書」と「ポスト京都議定書」
この11月下旬に南アフリカ共和国・ダーバンで第17回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP17)が開催されますが、2012年で期限が切れる「京都議定書」に代わる「ポスト京都議定書(将来の国際的な温暖化対策の枠組み)」は決まりそうもなく、2013年以降も京都議定書をそのまま延長しようと考える国と、日本を筆頭に、そのままの延長に反対する国とに分かれています。
そもそも、京都議定書(2008~2012年)は当初話し合いに加わっていた米国が国内の反対勢力のために、ブッシュ元大統領時代に離脱しており、世界の2大CO2排出国である米国と中国(発展途上国と言うことで削減枠組み対象外)が加わらない「京都議定書」をそのまま延長しても、甚だ不公平と言うのが日本を筆頭に反対している国の主張です。
それに対して延長賛成国は、中国の様に、未だ経済発展優先でCO2削減枠組みに入りたくない思惑の国と、折角努力して来た「京都議定書」が期限切れとなった後、削減枠組みが何もなくなり、空白期間が出来てCO2排出が野放しになるよりは、未だましと考える国(欧州連合:EU)とがあります。

(出所:日刊温暖化新聞HPより「2008年国別CO2排出量」)
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そもそも、京都議定書(2008~2012年)は当初話し合いに加わっていた米国が国内の反対勢力のために、ブッシュ元大統領時代に離脱しており、世界の2大CO2排出国である米国と中国(発展途上国と言うことで削減枠組み対象外)が加わらない「京都議定書」をそのまま延長しても、甚だ不公平と言うのが日本を筆頭に反対している国の主張です。
それに対して延長賛成国は、中国の様に、未だ経済発展優先でCO2削減枠組みに入りたくない思惑の国と、折角努力して来た「京都議定書」が期限切れとなった後、削減枠組みが何もなくなり、空白期間が出来てCO2排出が野放しになるよりは、未だましと考える国(欧州連合:EU)とがあります。

(出所:日刊温暖化新聞HPより「2008年国別CO2排出量」)
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2011年11月11日
やさしい環境用語解説
環境用語で聞きなれないものがいくつかあります。①カーボン・オフセット、②カーボン・クレジット、③カーボン・ニュートラルなどがそれです。
これらは二酸化炭素(CO2)排出に関係するものですが、概ね次のように説明されます。
①カーボン・オフセット(CarbonーOffset)・・排出してしまった二酸化炭素(CO2)を他の方法で埋め合わせる(相殺する=Offsetする)と言う考え方であり、植林、森林保護、クリーンエネルギー事業等がそれに当てはまります。
②カーボン・クレジット(CarbonーCredit)・・京都議定書によって先進国は二酸化炭素排出上限枠が決められ、その枠内に収まる様に各国(企業)が排出削減努力をすることになり、削減効果があって排出枠に余裕の出た国(企業)は排出枠の余裕分(排出削減量証明=クレジット)を売ることが出来、排出枠をオーバーした国(企業)はクレジットを購入して埋め合わせることが出来ると言う考え方です。排出してしまった二酸化炭素を相殺する方法の一つとして考えられたもので、「排出枠」を二酸化炭素排出の相殺とは関係なく、単に「株式」の様に商品として売買して商売しようと言うことではなく、あくまでも排出してしまった二酸化炭素を相殺(Offset)する目的で売買すると言うものです。結果的に削減出来た国(企業)は潤い、削減出来なかった国(企業)はハンディ負うことになって、削減努力をする、ことを狙ったものと言えます。しかし、必ずしも当初の目的通りには行っていないとも言われています。
③カーボン・ニュートラル(CarbonーNeutral)・・二酸化炭素排出量を、何らかの削減努力(又は、クレジットの購入等)によって相殺出来て、「排出量=削減量」となった状態を「カーボン・ニュートラル=炭素中立」と定義しています。

(出所:環境省HP「カーボンオフセットとは」より) 続きを読む
これらは二酸化炭素(CO2)排出に関係するものですが、概ね次のように説明されます。
①カーボン・オフセット(CarbonーOffset)・・排出してしまった二酸化炭素(CO2)を他の方法で埋め合わせる(相殺する=Offsetする)と言う考え方であり、植林、森林保護、クリーンエネルギー事業等がそれに当てはまります。
②カーボン・クレジット(CarbonーCredit)・・京都議定書によって先進国は二酸化炭素排出上限枠が決められ、その枠内に収まる様に各国(企業)が排出削減努力をすることになり、削減効果があって排出枠に余裕の出た国(企業)は排出枠の余裕分(排出削減量証明=クレジット)を売ることが出来、排出枠をオーバーした国(企業)はクレジットを購入して埋め合わせることが出来ると言う考え方です。排出してしまった二酸化炭素を相殺する方法の一つとして考えられたもので、「排出枠」を二酸化炭素排出の相殺とは関係なく、単に「株式」の様に商品として売買して商売しようと言うことではなく、あくまでも排出してしまった二酸化炭素を相殺(Offset)する目的で売買すると言うものです。結果的に削減出来た国(企業)は潤い、削減出来なかった国(企業)はハンディ負うことになって、削減努力をする、ことを狙ったものと言えます。しかし、必ずしも当初の目的通りには行っていないとも言われています。
③カーボン・ニュートラル(CarbonーNeutral)・・二酸化炭素排出量を、何らかの削減努力(又は、クレジットの購入等)によって相殺出来て、「排出量=削減量」となった状態を「カーボン・ニュートラル=炭素中立」と定義しています。

(出所:環境省HP「カーボンオフセットとは」より) 続きを読む
2011年11月09日
これからの植物由来樹脂原料「バイオコハク酸」
非石油系(植物由来)樹脂原料として「バイオコハク酸」情報が賑やかになって来ました。「バイオコハク酸」はトウモロコシやサトウキビを発酵して作られ、それから出来る樹脂は自動車用シートのクッション材、紙オムツ、食品トレー等の用途があると言われており、商社の双日㈱が米社、三井物産㈱がカナダ企業と合弁会社を作り、2015年までには、年産16万4千トンの量産体制を整えるとしています。
これらの樹脂は「植物由来プラスチック=バイオマスプラ」あるいはその性質から「生分解性プラスチック=グリーンプラ」とも呼ばれています。

(日本バイオプラスチック協会:バイオプラロゴマーク)

(日本バイオプラスチック協会:グリーンプラロゴマーク) 続きを読む
これらの樹脂は「植物由来プラスチック=バイオマスプラ」あるいはその性質から「生分解性プラスチック=グリーンプラ」とも呼ばれています。

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