2012年03月23日
「サトウの切り餅」と「越後製菓」の知財裁判
「サトウの切り餅」で有名な「佐藤食品工業」(新潟市)と「越後製菓」(長岡市)の「切り餅」がきれいに焼ける「切り込み」技術に関する特許侵害知財裁判は、知財高等裁判所によって、原告「越後製菓」の勝訴となりました。
この知財裁判は、「越後製菓」が取得している切り餅の側面に切り込みを入れて切り餅がきれいに焼ける特許技術(2008年特許権成立)を佐藤食品工業が侵害しているとして、商品の製造差し止めや、損害賠償59億4千万円を要求しているものです。
佐藤食品工業は側面の他に上下面にも切り込みを入れた切り餅を販売してきました。この訴訟で一審の知財地方裁判所の判決は、佐藤食品工業の勝訴(即ち原告越後製菓の特許を侵害していない)でしたが、それを不服として上告した知財高等裁判所は一審を棄却して原告「越後製菓」の勝訴判決を出した訳です。全く正反対の判決になりましたが、越後製菓の「特許請求の範囲」の文言の解釈に違いがあった様です。

(出所:共同通信 切り餅の切り込みの違い)

(出所:NHK 切り餅の切り込みと焼け方の違い→これは判決には直接関係ない)
この知財裁判は、「越後製菓」が取得している切り餅の側面に切り込みを入れて切り餅がきれいに焼ける特許技術(2008年特許権成立)を佐藤食品工業が侵害しているとして、商品の製造差し止めや、損害賠償59億4千万円を要求しているものです。
佐藤食品工業は側面の他に上下面にも切り込みを入れた切り餅を販売してきました。この訴訟で一審の知財地方裁判所の判決は、佐藤食品工業の勝訴(即ち原告越後製菓の特許を侵害していない)でしたが、それを不服として上告した知財高等裁判所は一審を棄却して原告「越後製菓」の勝訴判決を出した訳です。全く正反対の判決になりましたが、越後製菓の「特許請求の範囲」の文言の解釈に違いがあった様です。

(出所:共同通信 切り餅の切り込みの違い)

(出所:NHK 切り餅の切り込みと焼け方の違い→これは判決には直接関係ない)
結局、知財高等裁判所は、側面の切り込みと上下面に切り込みのある佐藤食品工業の切り餅は越後製菓の特許請求の範囲に含まれると判断した訳です。
この裁判は昨年の9月の高裁の中間判決で特許請求の範囲に関しては原告の言い分(特許侵害)が認められており、又、佐藤食品工業が提訴していた、越後製菓の特許無効審判も棄却されており、更に、その審決を不服として「審決取消」の提起も棄却されていたので、佐藤食品工業にとっては極めて不利な状況にありました。
「製造差し止めと損害賠償8億円支払い」の高裁判決が出る前に、「何がしかの条件で和解」と言う選択肢もあったのではないかとは思われますが、佐藤食品工業は最高裁に上告する様なので、とことん行くことになりそうです。結果はどうなるか?特許権の強さを再認識させる判決でした。

(出所:越後製菓㈱ホームページ 「切り餅生一番」ふっくらカット(側面の切り込み)がPR表示されている)
この裁判は昨年の9月の高裁の中間判決で特許請求の範囲に関しては原告の言い分(特許侵害)が認められており、又、佐藤食品工業が提訴していた、越後製菓の特許無効審判も棄却されており、更に、その審決を不服として「審決取消」の提起も棄却されていたので、佐藤食品工業にとっては極めて不利な状況にありました。
「製造差し止めと損害賠償8億円支払い」の高裁判決が出る前に、「何がしかの条件で和解」と言う選択肢もあったのではないかとは思われますが、佐藤食品工業は最高裁に上告する様なので、とことん行くことになりそうです。結果はどうなるか?特許権の強さを再認識させる判決でした。

(出所:越後製菓㈱ホームページ 「切り餅生一番」ふっくらカット(側面の切り込み)がPR表示されている)
Posted by 富士三合目 at 19:22│Comments(0)
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