2012年02月25日
自治体が「再生可能エネルギー導入」本格化
全国の自治体が「再生可能エネルギーの導入」に向けた事業を本格化する動きがあります。2012年度予算案で47都道府県が関連費用を合計517億円計上したとのこと。海水や地熱、日照時間等の地域の特性を生かして事業化に取り組み、手近な資源を活用する「エネルギーの地産地消」で電力の確保を目指すとしています。
神奈川県は8億6,600万円を計上し、愛川町に大規模(出力2,000kw)太陽光発電所(メガソーラー)設置を計画しており、県が自ら運営し、2013年夏稼動を予定している。

(出所:神奈川県ホームページ メガソーラー設置計画候補地愛川町)
新潟県は昨年秋に開設したメガソーラーに来年度4億円を投じて発電設備を増設予定。2,000kwに倍増する。昭和シェル石油㈱と共同設置で雪国型メガソーラーとしており、現在順調に稼動しているとのこと。

(出所:昭和シェル石油㈱ホームページ 雪国型メガソーラー)
沖縄県は久米島にある県深層水研究所において、100kw級の「海洋温度差発電」実証プラントを設置する。県によれば、商用を想定した実際の海域での実証プラントは世界初とのことである。「海洋温度差発電」については本ブログでも以前紹介しています。(2011年10月20日付)


(出所:ウィキペディア 久米島は沖縄諸島の一番左端にある)
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神奈川県は8億6,600万円を計上し、愛川町に大規模(出力2,000kw)太陽光発電所(メガソーラー)設置を計画しており、県が自ら運営し、2013年夏稼動を予定している。

(出所:神奈川県ホームページ メガソーラー設置計画候補地愛川町)
新潟県は昨年秋に開設したメガソーラーに来年度4億円を投じて発電設備を増設予定。2,000kwに倍増する。昭和シェル石油㈱と共同設置で雪国型メガソーラーとしており、現在順調に稼動しているとのこと。

(出所:昭和シェル石油㈱ホームページ 雪国型メガソーラー)
沖縄県は久米島にある県深層水研究所において、100kw級の「海洋温度差発電」実証プラントを設置する。県によれば、商用を想定した実際の海域での実証プラントは世界初とのことである。「海洋温度差発電」については本ブログでも以前紹介しています。(2011年10月20日付)


(出所:ウィキペディア 久米島は沖縄諸島の一番左端にある)
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2012年02月21日
今注目の「小型水力発電装置」
今年7月からスタートする「再生エネルギー全量買取制度」をにらみ、重電各社が中小型水力発電装置の開発を強化しており、特に東芝、三菱電機等は1~10kw程度の小型水力発電装置を発表しています。1~10kwと言えば家庭用太陽光発電装置と同程度の規模であり、東芝の1kw小型水力発電装置は価格が1基約60万円前後の見込みで、自家消費用なら7~8年で投資回収可能とのことです。昔の「村の水車」並というイメージでしょうか。
仕様としては出力1~200kwで自家消費型と電力会社配電線連係型とがあり、低落差でも発電可能とのこと。

(出所:東芝プラントシステム㈱HPより 「小水力発電装置」)

(出所:東芝プラントシステム㈱HPより 「小水力発電装置の構造イメージ図」)
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仕様としては出力1~200kwで自家消費型と電力会社配電線連係型とがあり、低落差でも発電可能とのこと。

(出所:東芝プラントシステム㈱HPより 「小水力発電装置」)

(出所:東芝プラントシステム㈱HPより 「小水力発電装置の構造イメージ図」)
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2012年01月20日
ミドリムシ(ユーグレナ)が世界(地球)を救う?!
「ミドリムシ(ユーグレナ」)と言うバイオ素材を東京大学発ベンチャー企業(㈱ユーグレナ)が開発し、清水建設、全日空、JX日鉱日石エネルギー(エネオス)、日立プラント等の大企業が実用化を目指して共同開発プロジェクトを進めています。(1月16日付日経新聞夕刊)
「ミドリムシ」とは鞭毛運動をする動物的性質を持ちながら、同時に植物として葉緑体を持ち、光合成を行うため、「単細胞生物は動物/植物の区別が難しい」と言う話の好例として挙げられる。「ミドリムシ」は淡水ではごく普通に見られる生物で止水、特に浅い水溜りに多く、春から夏にかけて水田ではごく頻繁に発生する。(ウィキペディア)

(出所:ウィキペディア 「ミドリムシ」 緑色の顆粒は葉緑体)
東京大学発ベンチャー企業の㈱ユーグレナではこの「ミドリムシ」の人工培養に成功し、これを原料にしてバイオ燃料、バイオ浄化技術、食料等への実用化を前記大企業等との共同開発プロジェクトとして推進しているとのことです。
この「ミドリムシ」は光合成を行うので、二酸化炭素の吸収も行い、食料としても動物性・植物性のバランスが取れた栄養価が高く、地球温暖化防止、食料不足対策の切り札にもなり、将来世界(地球)を救うと期待されているとのことです。

(出所:日本科学未来館 ミドリムシクッキーを販売しています)
「ミドリムシ」とは鞭毛運動をする動物的性質を持ちながら、同時に植物として葉緑体を持ち、光合成を行うため、「単細胞生物は動物/植物の区別が難しい」と言う話の好例として挙げられる。「ミドリムシ」は淡水ではごく普通に見られる生物で止水、特に浅い水溜りに多く、春から夏にかけて水田ではごく頻繁に発生する。(ウィキペディア)

(出所:ウィキペディア 「ミドリムシ」 緑色の顆粒は葉緑体)
東京大学発ベンチャー企業の㈱ユーグレナではこの「ミドリムシ」の人工培養に成功し、これを原料にしてバイオ燃料、バイオ浄化技術、食料等への実用化を前記大企業等との共同開発プロジェクトとして推進しているとのことです。
この「ミドリムシ」は光合成を行うので、二酸化炭素の吸収も行い、食料としても動物性・植物性のバランスが取れた栄養価が高く、地球温暖化防止、食料不足対策の切り札にもなり、将来世界(地球)を救うと期待されているとのことです。

(出所:日本科学未来館 ミドリムシクッキーを販売しています)
2012年01月16日
家庭用燃料電池を拡大
東京ガスや大阪ガスなど国内ガス大手が、都市ガスを使う家庭用燃料電池事業を拡大すると発表されました。(1/16日付日経新聞朝刊)
ガス大手の2012年度家庭用燃料電池「エネファーム」の販売目標台数は1万4400台で、2011年度実績見込みの9250台を大幅に上回る(前年比156%)ことになります。
「エネファーム」は「女優の水川あさみさんとエネゴリコンビ」の「㈱JX日鉱日石エネルギー(エネオス)のCM」でお馴染みですが、「エネファーム」と言う商品名の「家庭用燃料電池(電熱併産:コジェネレーション)システム」は「エネオス」だけではなくガス大手各社で販売しています。
又、これらエネファーム装置のメーカーは東芝、パナソニック、エネオスセルテック社等です。
(各社のエネファーム販売2011年度実績見込みと2012年度販売目標)
①東京ガス・・2011年実績見込み:5,600台 2012年度目標:7,100台
②大阪ガス・・ 〃 :3,000台 〃 :6,000台
③エネオス ・・ 〃 :2,200台 〃 :4,000台(都市ガス会社ではない)
④東邦ガス・・ 〃 : 650台 〃 :1,300台
⑤西部ガス・・ 〃 : 440台 〃 :前年度以上

(出所:東京ガスHPより エネファームCM)

(出所:大阪ガスHPより 大阪ガスのエネファームユニット)
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ガス大手の2012年度家庭用燃料電池「エネファーム」の販売目標台数は1万4400台で、2011年度実績見込みの9250台を大幅に上回る(前年比156%)ことになります。
「エネファーム」は「女優の水川あさみさんとエネゴリコンビ」の「㈱JX日鉱日石エネルギー(エネオス)のCM」でお馴染みですが、「エネファーム」と言う商品名の「家庭用燃料電池(電熱併産:コジェネレーション)システム」は「エネオス」だけではなくガス大手各社で販売しています。
又、これらエネファーム装置のメーカーは東芝、パナソニック、エネオスセルテック社等です。
(各社のエネファーム販売2011年度実績見込みと2012年度販売目標)
①東京ガス・・2011年実績見込み:5,600台 2012年度目標:7,100台
②大阪ガス・・ 〃 :3,000台 〃 :6,000台
③エネオス ・・ 〃 :2,200台 〃 :4,000台(都市ガス会社ではない)
④東邦ガス・・ 〃 : 650台 〃 :1,300台
⑤西部ガス・・ 〃 : 440台 〃 :前年度以上

(出所:東京ガスHPより エネファームCM)

(出所:大阪ガスHPより 大阪ガスのエネファームユニット)
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2012年01月05日
家畜のふん発電(新エネルギー)
正月早々「家畜のふん」の話で恐縮ですが、これはれっきとした群馬大学の研究成果で、今日の日経新聞夕刊に掲載されています。「家畜のふん発電」は新エネルギー分野ではバイオマス(生物資源)エネルギーに属するものと言えますが、現在畜産の盛んな群馬県で発生する「家畜のふん」は年間約180万トンにもなるとのこと。これらは肥料として活用したり、微生物発酵させてメタンガス化して活用されていますが、発酵によるメタンガス化は時間がかかり、又、ガス化し切れない残渣が水分を含みすぎて後の処理が困難で、根本的な処理にはならないとのこと。
群馬大学の宝田恭之教授(反応工学)の研究室では、比較的低温(約600℃)の炉で「家畜ふん」を加熱し、ガスと共に発生するタール分に産業廃棄物(ニッケルメッキ廃液)と、低品位石炭である「褐炭」から造った触媒を加えることにより、効率良くダール分もガスに分解する技術開発に成功したとのことです。これにより発生する分解ガスは発電に利用することができ、又、ニッケルメッキ廃液からは電子部品などに使う高価な素材である「酸化ニッケル」も回収できる「一石三鳥」の技術開発と言えます。
群馬大学の宝田研究室では2000年(平成12年)頃から関連技術の研究を行っており、今回の成功はその一環とも言えるものでしょう。今後実用化に向けては大量の「家畜ふん」の取扱い、工場の立地条件等、解決すべき困難な課題は数多くあると思われますが、地域の産業と結び付いた地元大学の研究成果は、是非実用化にも成功して欲しいと祈念するところです。

(出所:群馬大学宝田研究室HPブログより)
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群馬大学の宝田恭之教授(反応工学)の研究室では、比較的低温(約600℃)の炉で「家畜ふん」を加熱し、ガスと共に発生するタール分に産業廃棄物(ニッケルメッキ廃液)と、低品位石炭である「褐炭」から造った触媒を加えることにより、効率良くダール分もガスに分解する技術開発に成功したとのことです。これにより発生する分解ガスは発電に利用することができ、又、ニッケルメッキ廃液からは電子部品などに使う高価な素材である「酸化ニッケル」も回収できる「一石三鳥」の技術開発と言えます。
群馬大学の宝田研究室では2000年(平成12年)頃から関連技術の研究を行っており、今回の成功はその一環とも言えるものでしょう。今後実用化に向けては大量の「家畜ふん」の取扱い、工場の立地条件等、解決すべき困難な課題は数多くあると思われますが、地域の産業と結び付いた地元大学の研究成果は、是非実用化にも成功して欲しいと祈念するところです。

(出所:群馬大学宝田研究室HPブログより)
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