2012年06月24日
進みつつある「排熱利用」の研究
普段の生活で何気なく捨てている熱エネルギーの利用研究が進んでいるとのこと。(6月24日付日経新聞)
排熱とは、熱は完全に使い切るのは難しいので、余った熱が利用されずに「排熱」として出てくる。例えば、ゴミ焼却や工場の稼動に伴う熱、自動車から出る排ガス、エアコン使用時に外に放出される熱風など、人間の活動によって出る熱を排熱と呼ぶ場合が多い。排熱はこれまで十分に活用されてきたとは言い難く、それは、熱の再利用を可能にする技術が足りなかった点に加え、熱を使い回す発想が乏しかったためと言われる。最近これらの排熱利用技術が新エネルギーの一つとして注目を集めているとのこと。(前記日経新聞)
大阪市の千島下水処理場の実証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と大阪市立大学、総合設備コンサルタント、中央復建コンサルタンツ、関西電力のグループが取り組んでいます。下水は夏は気温より2~3℃低く、冬は10℃以上高いので、熱は加熱に、冷気は冷却に利用でき、熱交換やヒートポンプを使い、下水と気温の温度差を給湯や冷暖房に生かすことが出来るとのことです。
ところで、同じような下水の排熱利用は東京都下水道局でもかなり前から行われており、東京都下水道局のホームページに出ています。
(出所:東京都下水道局ホームページ 「夏冬の下水温度と気温の差」)
東京都下水道局では下水の排熱利用システムを「アーバンヒート」と呼び、第1号は昭和62年1月落合水再生センターで設置されています。
(出所:東京都水道局ホームページ 落合水再生センターの「アーバンヒート第1号」)
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排熱とは、熱は完全に使い切るのは難しいので、余った熱が利用されずに「排熱」として出てくる。例えば、ゴミ焼却や工場の稼動に伴う熱、自動車から出る排ガス、エアコン使用時に外に放出される熱風など、人間の活動によって出る熱を排熱と呼ぶ場合が多い。排熱はこれまで十分に活用されてきたとは言い難く、それは、熱の再利用を可能にする技術が足りなかった点に加え、熱を使い回す発想が乏しかったためと言われる。最近これらの排熱利用技術が新エネルギーの一つとして注目を集めているとのこと。(前記日経新聞)
大阪市の千島下水処理場の実証試験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と大阪市立大学、総合設備コンサルタント、中央復建コンサルタンツ、関西電力のグループが取り組んでいます。下水は夏は気温より2~3℃低く、冬は10℃以上高いので、熱は加熱に、冷気は冷却に利用でき、熱交換やヒートポンプを使い、下水と気温の温度差を給湯や冷暖房に生かすことが出来るとのことです。
ところで、同じような下水の排熱利用は東京都下水道局でもかなり前から行われており、東京都下水道局のホームページに出ています。
(出所:東京都下水道局ホームページ 「夏冬の下水温度と気温の差」)
東京都下水道局では下水の排熱利用システムを「アーバンヒート」と呼び、第1号は昭和62年1月落合水再生センターで設置されています。
(出所:東京都水道局ホームページ 落合水再生センターの「アーバンヒート第1号」)
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2012年06月23日
公取委が東電値上げに注意!
公正取引委員会は6月22日、東京電力が企業など電力大口需要家に対し4月から行っている「電力料金値上げの要請方法が一方的だった」などとして東電を文書で注意したと発表しました。
公取委は東電の値上げ要請方法は「独占禁止法違反(優越的地位の乱用)」に繋がる恐れがあると判断したようです。「公取委の注意」は違反に発展する恐れがあると判断した場合に行われるもので、「排除措置命令」や「課徴金納付命令」といった行政処分ではなく、公取委の措置としては最も軽いものですが、「注意の公表」は異例で「公共性が高く、公表が望ましいと判断した」としています。
(出所:公正取引委員会ホームページ 「公正取引委員会ロゴマーク」)
(出所:ウィキペディア 「公正取引委員会庁舎)
東電は今年1月、福島第1原発事故の影響で、代替の火力発電用燃料費が増大して収益が悪化していることを理由に、大口契約者(50kw以上向け)の電力料金を平均約17%値上げすることを発表しています。
これに対し、中小企業を中心に反発が相次ぎ、埼玉県川口市の「川口商工会議所」などが「独禁法に抵触している」として、公取委に申告書を提出していたとのことです。 続きを読む
公取委は東電の値上げ要請方法は「独占禁止法違反(優越的地位の乱用)」に繋がる恐れがあると判断したようです。「公取委の注意」は違反に発展する恐れがあると判断した場合に行われるもので、「排除措置命令」や「課徴金納付命令」といった行政処分ではなく、公取委の措置としては最も軽いものですが、「注意の公表」は異例で「公共性が高く、公表が望ましいと判断した」としています。
(出所:公正取引委員会ホームページ 「公正取引委員会ロゴマーク」)
(出所:ウィキペディア 「公正取引委員会庁舎)
東電は今年1月、福島第1原発事故の影響で、代替の火力発電用燃料費が増大して収益が悪化していることを理由に、大口契約者(50kw以上向け)の電力料金を平均約17%値上げすることを発表しています。
これに対し、中小企業を中心に反発が相次ぎ、埼玉県川口市の「川口商工会議所」などが「独禁法に抵触している」として、公取委に申告書を提出していたとのことです。 続きを読む
2012年06月21日
電力10社が送電網開放!
東京電力など電力10社は一般家庭が太陽光などで発電した電気を「新電力:特定規模電気事業者(PPS)」に送電できるよう、10社の送配電網を使えるようにすると発表しました。
従来PPSは工場の自家発電設備などから電気を買い取り、企業に販売して来ましたが、一般家庭との送配電網の使用が可能となることで、PPSは家庭からの調達が可能となり、課題だった供給力が増強でき、企業向け電力販売の競争促進に繋がりそうとのこと。
電力10社は7月1日から実施可能となるよう、6月20日に経済産業相に「供給約款の特例承認」として申請しました。
(再掲:家庭用太陽光発電所) 続きを読む
従来PPSは工場の自家発電設備などから電気を買い取り、企業に販売して来ましたが、一般家庭との送配電網の使用が可能となることで、PPSは家庭からの調達が可能となり、課題だった供給力が増強でき、企業向け電力販売の競争促進に繋がりそうとのこと。
電力10社は7月1日から実施可能となるよう、6月20日に経済産業相に「供給約款の特例承認」として申請しました。
(再掲:家庭用太陽光発電所) 続きを読む
2012年06月16日
家庭向け電力料金自由化の流れ
6月15日付日経新聞「ゼミナール:電力改革の論点④」欄で東京国際大学教授武石礼司氏の解説で「家庭向け電力料金自由化」の流れについて掲載されています。
契約電力が50kw以上の大口需要家向けは2000年に自由化されています(実際は種々の制約条件で普及はわずか)が、50kw未満の小口需要家(一般家庭含む)向けは安定供給を最重要視した電力会社10社の地域独占を前提とし、料金自由化は認められていません。
小口需要家向け電力料金の算定には公共料金の算定で一般的に使われる「総括原価方式」が採用されており、下記の算定式が用いられています。
電力料金収入=営業費+事業報酬ー控除収益
・営業費・・発送電設備建設維持費、購入電力料、燃料費(為替レート含む)、減価償却費、人件費等
・事業報酬・・事業資産の価値×一定比率(3%)(自由に使える利益ではなく資金調達に必要なコストに見合うものとの東電説明)
・控除収益・・他社販売電力料等
ここで問題となるのは「事業報酬」よりも「営業費」ではないかと思われます。事業に関わる全ての経費を営業費として計上し、電力料金を算出しているので、経費が膨らんでも、自らの利益が減らない仕組みになっているのです。民間企業では市場の原理に従って、利益が減ればリストラや経費節減等の自助努力をせざるを得ないのですが、電力会社の場合は地域独占の「安定供給」を担保として料金値上げをするわけです。このようなことから、電力料金値上げの発表でも「電力の安定供給は私達の責務であり、従って料金値上げは私達の権利」との東電社長の発言になるのでしょう。
このような現状を打開するため、経産省の電力システム改革専門委員会は5月、電力小売りを家庭まで含め全面的に自由化する方針で一致し、政府は電気事業法の改正案を早ければ13年の通常国会に提出し、14年度以降の実施を目指すとのことです。
(出所:OECD/IEAエネルギー価格年報 各国産業用・家庭用電気料金推移) 続きを読む
契約電力が50kw以上の大口需要家向けは2000年に自由化されています(実際は種々の制約条件で普及はわずか)が、50kw未満の小口需要家(一般家庭含む)向けは安定供給を最重要視した電力会社10社の地域独占を前提とし、料金自由化は認められていません。
小口需要家向け電力料金の算定には公共料金の算定で一般的に使われる「総括原価方式」が採用されており、下記の算定式が用いられています。
電力料金収入=営業費+事業報酬ー控除収益
・営業費・・発送電設備建設維持費、購入電力料、燃料費(為替レート含む)、減価償却費、人件費等
・事業報酬・・事業資産の価値×一定比率(3%)(自由に使える利益ではなく資金調達に必要なコストに見合うものとの東電説明)
・控除収益・・他社販売電力料等
ここで問題となるのは「事業報酬」よりも「営業費」ではないかと思われます。事業に関わる全ての経費を営業費として計上し、電力料金を算出しているので、経費が膨らんでも、自らの利益が減らない仕組みになっているのです。民間企業では市場の原理に従って、利益が減ればリストラや経費節減等の自助努力をせざるを得ないのですが、電力会社の場合は地域独占の「安定供給」を担保として料金値上げをするわけです。このようなことから、電力料金値上げの発表でも「電力の安定供給は私達の責務であり、従って料金値上げは私達の権利」との東電社長の発言になるのでしょう。
このような現状を打開するため、経産省の電力システム改革専門委員会は5月、電力小売りを家庭まで含め全面的に自由化する方針で一致し、政府は電気事業法の改正案を早ければ13年の通常国会に提出し、14年度以降の実施を目指すとのことです。
(出所:OECD/IEAエネルギー価格年報 各国産業用・家庭用電気料金推移) 続きを読む
2012年06月14日
レアアースの輸入量激減
今年1~4月の中国からのレアアース輸入量は昨年同期比70%減となった模様。原因は日本企業の在庫量確保と「脱レアアース技術」の開発進展によるものと言われています。使用量減に伴って価格も前年7月の最高値と比較すると70%ダウンとなっているようです。
ネオジムやジスプロシウム等を含まない高性能永久磁石の開発が急゚ッチで進んでおり、産出国の中国の輸出政策に振り回されなくなることが期待されます。
(出所:日経新聞)
ネオジムやジスプロシウム等を含まない高性能永久磁石の開発が急゚ッチで進んでおり、産出国の中国の輸出政策に振り回されなくなることが期待されます。
(出所:日経新聞)