世界のCO2排出量過去最高を記録!

富士三合目

2012年05月27日 00:39

国際エネルギー機関(IEA)は5月24日2011年に世界で排出された二酸化炭素(CO2)が、前年比3.2%増の316億トンに増え、過去最高を記録したと発表しました。

世界の2006~2010年の平均増加量は6億トン/年で、2011年は約10億トン/年となり、大きく上回ったとのこと。燃料別では石炭が45%、石油が35%、天然ガスが20%となっています。

世界最大の排出国である中国は前年比9.3%増(7億トン以上)、インドの排出はロシアを抜き、中国、米国、欧州連合(EU)に次ぐ世界第4位になった模様。中印などの新興国は高成長を維持しており、企業の生産活動の拡大や、自動車購入などの消費の伸びが排出増に繋がっています。

先進国では米国は1.7%減、EUは1.9%減であったが、日本は前年比2.4%増で11億8000万トンとなり、2年連続の増加となった様です。これは原発の停止に伴う火力発電の増加によるものです。


(出所:IEAホームページ)
気候変動の国際交渉では、先進国に温室効果ガスの排出削減義務を課した「京都議定書」の期限切れに伴い、中印など新興国を含めた新枠組みの議論が始まっていますが、新興国側は経済成長を阻害されるとの立場から慎重な姿勢を崩していません。このまま行けば、大気中の二酸化炭素濃度を400ppm以内に抑える(即ち産業革命前と比べて地球の気温上昇を2℃以内に抑える)と言う、「世界全体で共有する目標」を実現するのは益々困難な状況になりつつあるとIEAは分析しています。

尚、IEAの報告書は下記webサイトで発表しています。
http://www.iea.org/newsroomandevents/news/2012/may/name,27216,en.html
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