覚えておこう「リチウムイオンキャパシタ」
9月4日の日経新聞朝刊に小さな記事で、「蓄電部品の共同出資会社:(FDKと旭化成)」が出ています。「FDKと旭化成は3日、蓄電部品である『リチウムイオンキャパシタ』の開発、製造、販売を手がける共同出資会社を設立したと発表した。」社名は「旭化成FDKエナジーデバイス」で、出資比率はFDK51%、旭化成49%、資本金1億円で売上目標2015年度70億円、2020年度に300億円以上を目指す、としています。
「リチウムイオンキャパシタ」と言う耳新しい用語の材料は「リチウムイオン電池」とも違い、リチウムイオン電池より長寿命で、電気二重層キャパシタ(アルミ電解コンデンサに近い)よりも高容量である夢の蓄電材料で、自動車や建設機械、瞬停対策装置向けなどの需要拡大が見込まれています。例えば自動車用リチウムイオン電池は充放電寿命が短く、充電時間が数時間も掛かりますが、リチウムイオンキャパシタであれば、充放電寿命が長く、充電時間も数分になると言われている優れものです。
旭化成は本ブログでも紹介した、元々現状タイプリチウムイオン電池を最初に発明した会社であり又、現在リチウムイオン電池セパレーター(商品名:ハイポア)の世界一シェアをもっており、FDKは富士通系の電池メーカーで「リチウムイオンキャパシタ」に力を入れている会社であることから、合弁事業に乗り出したのだと思われます。リチウムイオン電池分野ではシェアも低く、新聞記事に小さく出る位の注目度ですが、「次世代リチウムイオンキャパシタ」分野に打って出ることを決めたようです。
最近リチウムイオン電池の世界シェアNo1を韓国企業に奪われたとの報道がある中、この分野における日本企業の頑張りに大いに期待したいところです。
(FDK㈱の電池商品群:FDK㈱HPより)
(旭化成㈱の電池セパレータ:旭化成イーマテリアルズ㈱HPより)
関連記事