照明器具と演色性(その2)「LEDと蛍光灯」
前回に引き続き、「光源の演色性」についてもう少し詳しく紹介します。電球型蛍光灯やLED電球を選択する場合の参考になればと思います。
「演色性」とは、物の色を比較する場合に、太陽光の下で見た色を基準として、異なる種類の光源で比較した色が、太陽光のものに近ければ「演色性が良い(高い)」と言い、差が大きければ「演色性が劣る(低い)」と表現しています。これは光源の「良し悪し」を言っているのではなく、あくまでも、太陽光の下で見た色との差を表現しているのです。
前回は光源を3種類
①蛍光灯「D50(演色性の良い標準光源)」
②昼白色表示「電球型蛍光灯」
③昼白色表示「LED電球」
にて、
1)「XY色度図」
2)「発光特性(波長分布)」
3)「生牛肉の見た目の色比較」
等を比較して見ました。
(コニカミノルタ社ホームページより)
客観的評価方法としては、「JIS Z 8726:光源の演色性評価方法」と言うものがあり、この方法で得られた値を「演色評価数」と言い、太陽光を「100」として、値がそれに近い程、演色性が良い(高い)ことになります。
評価する色はR1~R15まで、15種の標準色があり、これに、前記の光源を別々に当てて、「分光放射輝度計」で測定し、太陽光の場合の「100」に対する相対値を出します。
R1~R8までの値を平均したものを「平均演色評価数:Ra」と言い、残りのR9~R15は個別の特殊演色評価数として、個々に比較しています。特に
R9(彩度の高い赤色)
R15(日本人の肌色)
は注目されるケースが多いと言われています。
ちなみに
①蛍光灯D50(標準光源) ・・「Ra:91」、「R9:77」、「R15:91」
②昼白色表示電球型蛍光灯・・「Ra:79」、「R9:16」、「R15:92」
③昼白色表示LED電球 ・・「Ra:68」、「R9:-39」、「R15:59」
となっており、光源②と③は「R9:彩度の高い赤色」で「演色性が大きく劣る(低い)」結果になっていることが判ります。それが、「生牛肉の見た目の色」に影響しているのです。
電球型蛍光灯やLED電球で「生牛肉の見た目の色」を標準光源に近づけるには、「R9の演色評価数の高い電球」を選択することになります。
尚、ここに記した内容は、光源の色を保証するものではありませんので、あくまでも参考と言うことで、ご容赦下さい。
関連記事