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2011年05月22日

覚えておこう!!クリーンエネルギーに不可欠な「NAS電池」

東京電力福島原発事故が起きてから、代替エネルギーとして、クリーンエネルギー(太陽光、風力発電etc)がにわかにクローズアップされて来ましたが、忘れてはいけない縁の下の力持ちは「NAS電池」です。

「NAS電池」は米航空宇宙局(NASA)とも、野菜のナスとも全く関係なく、ナトリウム(Na)と硫黄(S)とβアルミナ等で出来た充放電可能な単電池です。下図の固体電解質がβアルミナで出来ています。


    (日本ガイシ㈱ホームページより)
この電池、実は「あの東京電力」と日本ガイシ(株)が共同開発して20年掛けて実用化した、ほぼ独占的に流通している商品なのです。独占的と言っても、彼らが独占の意思がなくても同時期に競争していた他社がことごとく撤退してしまい、「残った頑張り者の福」的存在なのです。開発は1970年代前半頃から始まったもので、途中紆余曲折があったようですが、実用化には当時東電社長であった平岩外四氏も関係している様です。

この電池、素人目で見ても、これからの日本の電力事情にとって、救世主的存在になるのではないか、と思えるのです。何故かと言えば、大容量の電力が蓄えられ、理論エネルギー密度が高く、ロスが少なく、長時間作動が可能であり、分散型(500、250、50KW・・単電池を重ねて行くだけで任意の容量が得られる。)、寿命が長い(10年以上)、コンパクト、等々、長所が多いのです。欠点と言えば、動作温度が300~350℃の高温と言うくらいでしょうか。(初期にはβアルミナが破損する事故もあったらしいですが・・)

これが何故優れものかと言えば、①夜間等の余った電力を蓄電し、いつでも必要なときに供給可能、②太陽光、風力の様に不安定な発電条件に対し、蓄電して安定的に使用可能となる(バッファー効果)、③非常用電源、無停電電源、瞬停(低)対策等に使用可能、等々考えただけでも、現在電力関係で困っている問題が相当数解決出来てしまうのではないかと思われます。

ただ一つの疑問は、こんな素晴らしい物を共同開発した東京電力が何故、あの福島原発の非常用電源にしていなかったかと言うことです。結果論ですが、「津波で重油タンクが流失してしまって、電源喪失は想定外だった」ではなくて、原発建屋の3階位に設置してあれば、津波にもやられず、相当長時間冷却水循環ポンプは動かせたのではないか、その間にメルトダウンしない対策も考えられたのではないか、そうすればのちのち自社が開発したNAS電池はこんなにも有用であった、と将来的拡販にも大きく寄与したのではないか、等々と考えてしまいます。(実際に設置してあったのならご容赦下さい。)

結果論を云々してもこの場仕方ないので、今後のことを考えて先に進みます。設置コストも最近では1kw当り15~20万円位になっている様ですので、100万kwなら2,000億円位となります。一見高そうに思いますが、同程度の発電能力の原発を設置するには6,000億円程度掛かると言われているので、決して高いものではないと思います。又、現在の日本の電力会社10社は、地域独占で各社ピーク需要電力に合わせて発電能力を持っていますが、平常時の消費量は多くても60%以下だと思います。その分過剰な発電能力を各社個々に備えていることになります。

作りすぎた余剰電力を「オール電化」政策で必要以上に国民に消費させるのではなく、NAS電池で蓄電して、ピーク時に放出して平準化するのが得策だと思います。そうすれば、余分な電力を作る必要もないし、設備投資も少なくすることが出来、ひいては電力料金を値上げしなくて済む(逆に電力料金値下げ出来るはず)。更には、二酸化炭素排出削減にも寄与するはずです。そんな事は電力会社であれば、イロハのイの常識でしょうが地域独占企業ゆえに、そちらの方向には向いていない様に思われます。

今までNAS電池が中々普及しなかったのは、特定企業の特定商品であり、量産化されて未だ余り時がたっていないため、高価であり、又、販売政策はその会社の独占権利でもあるので、仕方ないところではありましょう。しかし、情勢が情勢ですし、原発縮小→クリーンエネルギー拡大の方向ですので、今後大いに伸びる期待があります。


      (日本ガイシ㈱ホームページより)

尚、私は現在NAS電池に関して中立的立場にあり、一切の利害関係のないことを申し添えます。これを書く気になったのは、最近、ある防災セミナーで、実際に震災に遭われた企業さんが非常用電源としてNAS電池を備えてあったのが、大変役に立ったとのお話を伺ったことによります。内容に多少不正確な点があるかもしれませんがどうかご容赦願います。

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 Email:mk.bs@kmail.plala.or.jp

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